野外撮影で気をつけたいこと
屋外での撮影は、ほぼ100%太陽光を照明として利用することになります。
しかし、太陽光は時間帯やその時の天候によってその光の色が変わってしまいます。
おおまかに分けると、1日のうちで日の出の朝、日中、夕方と3種類の光の色の変化が起こります。
さらに、曇天、晴天、薄曇りなどの天候の状態によっても大きく色が変化します。
家庭用のビデオカメラで撮影する時は、ほとんどはオートホワイトバランスでの撮影になるので、大きな失敗が起こることは少ないはずです。
しかし、特定の条件下では注意する必要があります。
たとえば、晴天の日中に日なたから木陰などの日影に移動した時、光の色も強さも大きく異なるため、色が青っぽくなってしまいます。
オートホワイトバランスだと、一度青っぽくなってから時間の経過によってオートホワイトバランスの機能でじわりと正常な色に変わる、という少し不自然な映像になります。
これを防止するには、日なたの場面と日影の場面を分けて撮影するか、ホワイトバランスをオートからマニュアルに変更して太陽光にセットするか、ホワイトバランスを日なたで取ってから撮影すると、日影では青白い色になりますが日影の場面であるという印象があるので、大きな違和感は感じさせずにすみます。
もし日影で人物などの撮影をする場合は、ホワイトバランスを取るのは日なたではなく日影にした方が良いでしょう。
しかし、この場合はその状態で日なたを撮影すると、少しおかしな色表現になるので注意する必要があります。
ですから、日影の場面だけの撮影ではない場合は、日影でホワイトバランスを取るのは避けた方がいいと言えます。
屋外で撮影していて、そのまま室内に移動した場合も色表現がおかしくなりますので、出来れば場面は分けて撮影するのが望ましいです。
また、夕方の撮影で夕景の赤みをいかしたい場合、オートホワイトバランスは避けた方が良いです。
赤みがかった光を白色とカメラが認識してしまうことで、夕景の赤みが弱まり面白みのない色表現になってしまうからです。
夕景を撮る時は、ホワイトバランスをマニュアルにして太陽光を選ぶか、青みのある空にレンズを向けてホワイトバランスを取ることで、赤みが強調されて綺麗に撮影することができます。
屋外での撮影では、常に太陽の位置に注意を払って逆光にならないようにしなければなりません。
自分の影が映像に入らないように、という注意も必要です。
雨天時の注意点
雨の日の撮影は、プロでも苦労するものです。
ビデオカメラは防水ではないものがほとんどですので、雨の日にはとにかくカメラが水に濡れないような配慮が必要です。
ビデオカメラ専用のレインコートを装着したり、ビニール袋などを被せてガムテープで固定したり、という対策をしても完璧ではありません。
ですから、雨の日は撮影しないようにするか、しても最低限のものにするなどした方が良いでしょう。